来るべきエネルギー危機とは

私たちはさまざまな「エネルギー」を用いて生きています。人や自然のチカラだけでは生み出すことができない大きなチカラを手にしたことで、社会は大きく発展しました。

急速に工業が発達し、さまざまなインフラを整備することができるようになり、さまざまなアイテムが私たちの手元に届けられているのは、ほとんどが「原油」のおかげといっていいでしょう。原油はさまざまなカタチで私たちの社会に浸透している、今の人類にとっては要になるエネルギー源なのです。ただ燃やして炎をエネルギーに変換するだけではなく、原油そのものをさまざまなカタチに加工して、私たちは活用しています。

自分の身の回りを見回してみても「プラスチック」や「ゴム」、さまざまな樹脂製のアイテムがあることでしょう。沢山ある樹脂製のアイテムは加工、成形が容易です。すべて原油由来のそれらは、自由なカタチに加工、成形できるので、自由な発想のモノづくりに一役買っているのです。それらがなければ、私たちの手元にあるさまざまなアイテムは存在し得ないといってもいいでしょう。私たちはそれらを実に巧みに活用しています。普段使うものの中にプラスチックや樹脂でできているものを見つけるのは実に簡単なほど、私たちは自然とそれを受け入れています。

原油はまさに社会を支える、至高のエネルギー源といえるのです。

ですが、これはもともと地球に埋蔵されているものです。埋蔵されているものを発掘し、抽出することでそれを利用することができています。安定した原油の供給が行われるためには、「油田」といわれるところからそれらを採掘し続けなければいけないのです。そして、それら原油の成分を調べるうちにそれらは太古から続く地球が長年かけて生成したものであるということがわかっています。無尽蔵にあるかのように見える原油にも限りがあります。「無限」に存在するわけではないということです。

私たちの社会はいわば原油によって作られ、原油によって支えられている社会です。モノも、エネルギーも、原油由来です。そのような社会は永遠に続けられるわけではないということが重要で、今原油が枯渇すれば、今の暮らしは一ヶ月も持たないのです。原油がなくなってしまったら、社会は崩壊するといっていいでしょう。

ここまでわかっていながら未だに原油から脱することができないのは、原油が簡単に脱却できるようなものではなく、私たちのニーズに完璧に応えているからです。私たちの身の回りのものは太古の地球からの贈り物であるともいえるのですが、それを代替できるエネルギーが、資源が、現在ではないのです。太陽光をどれだけ利用しても、どれだけ水力で発電しても、それだけではプラスチックに代わる材料は得られません。原油よって受けている恩恵が実に幅広いため、ただエネルギーが補填されればいいというわけにいかないのです。

私たちが抱える将来のエネルギー危機の本質はこういうことです。ただ自然のチカラで電気が得られればいいというシンプルなハナシではないのです。原油の枯渇と同時にモノづくりも変わってしまうということ、そしてあまりにも原油に頼りすぎている私たちは、代替手段を持たないことが問題なのです。

 
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