風力発電は家庭でも使えるのか

電力は運動エネルギーから生み出せるものです。地球はさまざまな運動エネルギーをもともと持っています。その中でももっとも身近な地球の「運動」のひとつが「風」です。

私たちはそれぞれ「風」を感じることができます。「気候」はこの地球で暮らす以上、必ず接する自然変化です。私たちの身の回りに充満している空気、オゾン層まで満ち満ちている大気の対流が、「風」です。私たちはこの風が物理的な「チカラ」を持っていることを、身をもって知っています。風によって屋根が吹き飛ばされたり、風によって木がなぎ倒されたり、私たちは風が持つ恐ろしいチカラを知っているのです。

風の持つチカラを物理的に取り出すための方法を、私たちはすでに知っています。それは「風車」です。風車は古来用いられてきたものであり、風のチカラを変換してさまざまな仕事に利用してきた経緯があります。これを電力にできないわけがないのです。すでに、世界各国では風力発電が利用されています。ただ、水力とは違い、安定的なエネルギーを得ることが少し難しいのが「風」です。水のように水路を流れるわけではなく、何もない空間で自然に対流しているのが「大気」です。その流れはさまざまな要因に左右され、「常に風が吹いているという状態はなかなか作り出せるものではないのです。

現在では、風力発電が発電している電力の総量は世界の全電力使用量の2,3パーセントにすぎません。これは極々一部です。あと10年ほどで、これは10パーセントほどまで向上すると見られていますが、それでも全然足りません。「大気」や「気候」ほど不安定なものはなく、「常に運動させる」ということはとても困難です。さらに広い土地がなければ何機もの風車を設置することも難しいのです。ですから、日本ではなかなか導入が進まないのが現実です。

そんな不安定な風力発電ですが、実は家庭用のものも存在しています。風はどこにでも吹くものですから、専用の風車を取り付けて発電することができるのです。ただ、やはりそれは家庭で使用する電力の一部にしかなりませんし、天候によっては風車が回らないこともあります。ですので、あくまでも「補助」という位置づけにしかなりません。それでも山間部や海岸近くなど、風が起こりやすい地域に住んでいる方の中で導入を進めているご家庭もあります。

すべてをまかなえるわけではないですが、普段身近に感じている「風」が電力に変換できるということを実感するためにも、導入を検討することは悪いことではないと思います。「風」を代表する自然のチカラがどれだけの可能性を秘めているのか、地球が起こす「エネルギー」の奥深さを感じ取るためにも、風力発電の工事をご自宅に行うのは推奨できます。ただ、それだけではすべてを賄うということはできません。「電気代の節約」にも、もしかしたらならないかもしれません。

あくまでも自然のチカラを実感するための設備として、太陽光発電と併用するようなカタチで導入するのがいいのではないでしょうか。自然のチカラの大きさと、それをどこまで活用できるのかという「今の私たちの限界」もおのずと知ることになるでしょう。もっと効率的にエネルギーを取り出せれば、と歯がゆくなるかもしれませんが、それが未来への「可能性」なのです。

 
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