ソーラーエネルギーだけで生活できるか

電力は蓄積しておくことが、本質的にはできないものです。どれだけ発電しても、それを「その時」に使わなければムダになってしまうのです。これが、社会が抱える電力事情の難しいところです。

電力はそれぞれの電力会社が持つ、それぞれの発電所が需要予測に基づいて「需要を上回る分だけ」発電するものです。多すぎてもムダになります。それは現在の発電方法の主力、火力発電では燃料を消費しているからです。電力は溜めておくことが出来ない、それなのに備蓄している燃料を消費して発電するのです。需要が予測を下回れば、その分は完全にムダになります。ただ、急激に使用量が多くなってしまったりすることもあるので、電力会社は常にある程度のバッファを持って発電しているものです。

電力の需要が多いのはやはり「昼」でしょう。家庭での使用ではなく、各企業での利用が大半を占めているはずです。ご自身の職場を思い出してみてください。明るい光に満たされ、各席ではパソコンが明るく画面を表示させ、フル稼働する電話やプリンターなどが思い浮かぶのではないでしょうか。今では、電気のない職場などは想像できないのです。成り立たないといってもいいでしょう。また、ただのオフィスだけでなく工場を考えてみても同じです。電力によって稼働する工作機械だらけなのです。

そのような中、昼間には各家庭のソーラーパネルはフル稼働で電力を発生させています。太陽の光があたる限り、それは電力を発生させることが可能なわけです。ですが、その家の主は留守にしていることが多いのです。週7日のうち、5日間は働くとして、その間は各家庭の消費電力は最低限のものになっているのです。ですが、太陽の光はあたっているので発電はしているという状態です。これが「もったいないことである」として、各電力会社では各家庭の余った発電分を買い取る仕組みを用意しています。これはやはり「その時作っている電力はその時に消費しないといけない」ということがあるからです。

日当たりの良い家庭で、晴れの日がとても多い地域などで、沢山の電力が日中作られているものなのですが、各家庭がそれだけで家の電力のすべてを賄うことは出来ません。それは「夜」がくるからであり、夜の間は発電できないからです。発電できない夜の間は書く電力会社の供給する電気に頼らざるを得ないのです。

各家庭が自分たちで使う分の電力をすべて自前で賄うためには、優れた充電池が必要です。充電池は電気そのものを蓄えるものではなく、充電池の内部の化学反応が蓄電や放電を行うものです。仕様を繰り返せば劣化するものであり、蓄電の限界もあります。ただ、原理としては充電も放電も可能なものであり、性能が上がれば原理的には電力を維持しておくことも可能なのです。そのような高性能の蓄電池が実用化され、各家庭に備われば、実質月々の電気利用を自前だけでまかなえるようになるかもしれません。ですが、だからといって電力網のインフラが不要というわけではありません。太陽光発電は天気に左右されるものであり、あくまでも副次的なものであるからです。ただ、現在のように書く電力会社に余った分を買い取ってもらうほどのポテンシャルは秘めているので、家庭用の充電池の実用化は期待されているところです。

 
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