節電と発電

電気は貯めることができない。それは何度も繰り返しお伝えしたいことです。「バッテリー」は一時的なもので、容量に限界もあるのです。「充電」は電気そのものを貯めることではないということです。

バッテリーの中では電気を得て化学反応が起こるだけなのです。そして放電するときにはその逆が起きるのです。電気そのものを貯めているわけではないのです。電気をどれだけ節約しても、それは「流れる電気を使っていない」ということです。使われなかった電気は垂れ流されます。これは皮肉です。節電しても、節電しなくても、実はその時に供給できる電力の限界を超えていなければ、発電総量自体は変わらないのです。そして、関東地方では災害で欠損した電力生産能力を、今も回復させようとやっきになっているのです。

私たちが節電しても、どれだけ電気の使用を控えても、電力会社は発電を続けます。それは急に使用量が増えた時のためのバッファを持つためです。私たちの節約はもちろん現代社会の中での「マナー」でもあるのですが、それが「発電しなくてもいい」ということには直接つながるわけではないということです。日々の取り組みも、LED電球に変えるなどの工夫も、すべて電力会社が電気を作り続ければ意味がないことなのです。あまりにも虚しいことです。

それでは、私たちにはできることはないのでしょうか。

実は、あります。近年新しいエネルギー源として注目されているものに「日光」があります。つまり、太陽の光です。これは誰もが等しく浴びることができる、自然の恵みです。この太陽の光を用いた発電は、太陽光発電と言われます。太陽光発電は長年研究が続けられてきた技術で、ある程度の実用化が完了しているものです。これで、各家庭で発電を行うのです。もちろん、発電ができるのは日中です。太陽の光が出ていなければ発電することはできません。それでも、太陽が出ている間は発電することができます。すべての家庭、すべての施設が太陽光発電を行うことができ、自給自足が実現したとすれば、極論をいえば日中は発電所を稼働させなくてもよくなるかもしれません。

一日の半分、発電所を動かさなくてもいいかもしれないのです。発電所が稼働するのは雨の日や曇りの日、そして「夜」だけになるのです。これはまだまだ現段階では夢の様なハナシなのですが、実は現在でも太陽光発電で余った電力を、電力会社に「売る」という仕組みがあります。平日の昼間などは家にいない、それでも太陽光発電が稼働していれば、そこで生み出された電気がムダになってしまいます。そのようなことを防ぐために、電力会社が各家庭で余った電気を買っているのです。これは20年前では考えられなかった進歩です。可能性のひとつです。

すべての電気供給ラインは繋がっています。ですから、日中不在にしている家が発電した電力で、人が集まるオフィスビルなどの電気をまかなえる時代が来るかもしれないのです。古来存在している太陽のチカラを、私たちは上手に活用することができるようになって来ている証拠です。究極は発電所など存在しなくても済む世の中です。自然に存在するものだけで、世の中の電力を賄うことができることなのではないでしょうか。

 
自家発電でエコな暮らしTopに戻る